主体的な活動の成果を表彰するiOP-AWARDが開催
キャンパス内外での主体的な学修活動を促す茨城大学独自の仕組み「iOP(internship Off-campus Program)」。そのiOP活動で優れた成果をあげた学生を表彰する「iOP-AWARD」が2月18日、茨城大学懂球帝,懂球帝直播図書館のライブラリーホールで開催されました。当日の様子を、茨大広報学生プロジェクトの飯村旺我さん(農学部2年)が取材しました。
「iOP(internship Off-campus Program)クォーター」は、学外における主体的な学びを促す期間として学部3年次第3クォーターに設けられており、海外研修、インターンシップ、発展学修など学生たちそれぞれが活動に取り組んでいます。iOP認定が始まってから6年目(新型コロナの影響でiOP-AWARDの開催は4回目)となる今年度は、13組の応募者の中から8組が公開選考に進出し、自分が取り組んできた活動の発表を行いました。
参加者全員の集合写真(令和6年度iOP-AWRD参加者、太田学長、西川スチューデントサクセスセンター長、司会を務めた木村莉緒さん)
開会に先立って西川陽子スチューデントサクセスセンター長からiOPの現状についての説明がありました。
iOPの説明を行う西川スチューデントサクセスセンター長
iOPを行う意義や開始からのエントリー数の推移を示し、コロナ禍の影響がありつつもエントリー者が増加しているという内容です。
その後行われた8組による成果報告の結果、飛松さんと古矢さんが優秀賞、野村さんが最優秀賞を受賞しました。
優秀賞を獲得した飛松さん
優秀賞を獲得した、人文社会科学部の飛松亮佑さんは、外国人が災害時に言語が分からず逃げ遅れてしまうことや宗教の関係で非常食が食べられない現状を改善すべく、勝田中等教育学校生と協力して防災運動会を開催したといいます。外国人留学生のサポートを行うチューターとして学内で活動している飛松さんは、活動を行う中で外国人と日本人の災害に対する危機意識の違いを肌で感じたとのこと。本番は想定以上の参加者で会場がにぎわったと話し、来年度以降も継続して開催していきたいと発表していました。
優秀賞を獲得した古矢さん
同じく優秀賞を獲得した教育学部の古矢陽奈子さんは、今しかできないことを今やりたいという言葉をモットーに、一人でニュージーランドに留学に行ったといいます。ホストファミリーとの関係性構築の難しさや自分と他の留学生のやる気の温度差に悩みながらも、周囲の人たちと積極的にコミュニケーションを取ることを心がけ、2か月の留学期間を全力で過ごすことが出来たと満足した表情で語っていました。
最優秀賞を受賞した農学部の野村香瑚さんはインターンシップ先の鹿児島県奄美大島からオンラインで参加。インドネシア交換留学で学んだリジェネラティブ農業について発表をしました。
オンラインで発表を行う野村さん
野村さんは、世界中の子供たちが笑顔で生活が出来る社会を目指し、東日本の農家を訪ねる旅や農業サークルの設立を行うなど大学入学時から精力的に活動を行ってきました。
今回はiOPクォーターを利用してインドネシアに留学し、環境再生型農業の意味を持つリジェネラティブ農業を中心に学んだとのこと。写真を用いて、肥料の作り方や大豆の播種、収穫を体験したことなどを紹介していました。現地で作られていた肥料はカルシウム成分を持つカタツムリとパパイヤの葉を混ぜて2か月間発酵させて作るといい、質疑応答の時間では出席者から肥料に関する説明が求められるなど、注目を浴びていました。
現地の材料で作る肥料について写真を用いて説明
また、現地では集合時間に対する20~30分の遅れが日常的にあることや肥料づくりを通してチームワークの重要さに気づいたことなど、留学でしか味わえない経験も語っていました。
現在、留学を終えた野村さんは鹿児島県奄美大島にて果樹を利用した精油作りのインターンシップに取り組んでおり、主体的な活動の幅を広げています。
最優秀賞を受賞後野村さんは、「私はiOPクォーターが決め手となって茨城大学に入学することを決めました。iOPクォーターがある環境に感謝し、今回のiOP-AWARDでつながった他の参加者とも今後何かしらの活動をやっていきたいと思います。このiOPクォーターの良さを来年度以降の後輩にもつないでいきたいです」と熱い気持ちを改めてコメントに残しました。
オンラインで表彰を受ける野村さんと表彰を行う太田学長
太田寛行学長は、「もともと空きクォーターと呼んでいたiOPクォーターが、ここまで学生の学びを深められるようになったことを嬉しく思う。今回のような学生の主体的な学びの場をこれからも提供していきたい。(iOP-AWARDに参加した学生に対して)今回の経験を生かしてこれからも頑張ってほしい。」と講評し、令和6年度iOP-AWARDを締めくくりました。
受賞者一覧(各賞発表順に掲載。敬称略)
最優秀賞 | |
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野村 香瑚(農) |
インドネシアのリジェネラティブ農業 |
優秀賞(2組) | |
飛松 亮佑(人社) |
防災運動会~地域のみんなの笑顔を守る~ |
古谷 陽奈子(教育) |
留学すれば学べるのではない、留学「して」何を学ぶか |
奨励賞(5組) | |
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原囿 眞子(人社)他 |
水戸でポタリングプロジェクト |
磯辺 光莉(農)他 |
大学生だからこそできる都市農村交流プロジェクト |
木村 寧月(人社)他 |
介護施設の人材不足解消のために |
芳賀 昂斗(教育) |
文学、「言葉」の力とは |
湯田 くるみ(教育) |
保健室の先生目指しているけど 英語を教えにモンゴル行ってきた |
編集後記
2025年度は今回記事を書いている私がiOPに取り組む学年(3年)となります。今回iOP-AWARDに参加された皆さんの活動報告を実際に聞いて活動に対する姿勢や熱意に刺激を受けました。自分らしく活動することを忘れずに2025年度の活動も頑張っていきます。